2021/05/16 16:31
高二の頃の音楽の授業を未だによく覚えている。
音楽の先生が、「どうせお前らは歌や楽器の授業してもつまらんだけだろ、だから俺の授業ではひたすら映画を見せる」と言い、1年間音楽映画を見せられた。
覚えているだけでも、『サウンドオブミュージック』、『ウエストサイドストーリー』、『風と共に去りぬ』...。
そういった歴史の中の淘汰で勝ち残った名作を見せられ、徐々に僕らの中では楽しみな時間へ、ありがたく見させてもらっている、に変わっていったように思う。
今年観た『mid90s』は音楽映画の系譜に名を連ね、今もあの音楽の授業が行われているならばそのラインナップに加えられるんだろうか、と妄想してみたくなった。
終始90年代の音楽が流れ続け、音楽に合わせて映像が流れているようにさえ思えた。
ひたすらかっこいい。
ATCQもMischiefも流れる音楽の一部となり、ああこの映画はHipHop そのものなんだと結論づけてしまった。
足繁く通うみなみ会館では、mid90sに端を発し、この二ヶ月くらい90年代特集が組まれた。
『レオン』、『トレインスポッティング』、『恋する惑星』、『スワロウテイル』、『バッファロー'66』。
きっとこれらのラインナップを見ただけで心が疼いてしまう人って少なくないんじゃないかと思うものを、この二ヶ月間でコンプリートした。
昨今の90年代回帰は単なる一過性のものなんだろうか、と最近ずっと考えてます。
あれだけ自由に表現したいってのを今の僕らは心から欲してるんじゃないだろうか、と。
あの高二の音楽の授業も、今はきっと許されない。
だけどあれが堪らなく楽しかった。