2021/08/12 22:22



みなみ会館ではもう春から夏にかけてA24特集が組まれている。今後も続いていくから足掛け半年以上に渡るロングラン企画なわけですが、A24社製であれば全て目を通したいと思うくらいに惚れた。

ブランドというのかクレジットというのか。音楽でのレーベルにあたるのか。例えば、BLUE NOTE Gondwana Records 、そして11年前までの我等がhydeout productions …。レーベルから音楽への一定のイメージが語られるように、映画においても担保するクオリティをレーベルが背負う。


自分は頑なに映画は配信を利用したくなくて、映画館でしか見ない。近所の映画館で上映されなければ縁がなかったと思うだけだ。不意に配信で見たとして、その初見がパソコンの画面上だったら幸福な出来事とは思えない。あくまで個人の信条。

A24が好きならとことん配信で搾り尽くすよう見たらいいじゃんってフツーは思うだろうけど、近所の映画館のバイアス(審美眼)のかかった上映が好きなんだと思う。その映画館を信用しているし、その不自由さも好きなんだと思う。


で、今作は目を通したいと思うだけで全く期待値が高くなかったんですが、あっさり覆された。

描写が本当に美しい。そして何より心を掴まれたのがブラジルで過ごしたファベーラを思い出す既視感だった(映画の世界はアメリカ)。貧困層の暮らしを生々しく知ってる人の表現し得る描写だと思った。そしてその暮らしの人たちにしか作れない美しさ(仕草や表情)がありありと画面に現れていた。


何年か前にファベーラの子が自分たちのことを「melhor do mundo」と投稿していた。

意味はワールドベスト。

多くの人には、田舎者の戯言と片付けられてしまうのだろうか。でも実際にその場に行った者としては心に刻まれる言葉だった。


#A24 #みなみ会館